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ノーカントリー

 
イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン監督「ノーカントリー」。
 

 
この映画はメキシカンギャングから大金をハイエナした主人公が異常者に追いかけ回されるだけのサスペンスによくあるお決まりのパターンな映画だと思われガチだがそれは違う。
 
原題は「No Country for Old men」。主人公は「トミー・リー・ジョーンズ」演じる保安官の「エド」であり、彼が保安官として数々の事件に携わる中で年齢とともにそれらの事件にも段々と理解が追いつかな無くなってきた頃に起きたシガーとルウェリンの事件を境に自身もその他と同じくこの世界の異常性、いずれ訪れる死から逃れる事はできない存在なのだと悟る。これはそんな映画だ。
 
そんな「この世界のルールから逃れられない」と悟る「エド」の対比として存在するキャラクターが「アントン・シガー」。彼は金を奪って逃げたルウェリンを追いかけ回す過程で様々な人間を殺していくが自身の行動原理に則って機械的にそれを行う。
 
例えばあえて殺す必要のない人間の生死について彼はコイントスでその是非を決めようとする。自分の感情に従うのではなく相手に表か裏かを決めさせ、その結果で判定を行うのだ。無機質で感情に左右された行動を採らないキャラクターである「シガー」はこの映画の中で災害や事故の様などうしようもなく起こってしまう自然現象の様な存在として描かれている。
 
そんな彼だがこの映画の最後のシーンで例に漏れずコイントスでルウェリン・モスの妻の生死を判定しようとする。しかし彼女から「決めるのはコインじゃない」と言われ一瞬自分の選択について戸惑い、思考を巡らせるシーンがある。
 
その後彼は車を走らせている最中に突如信号無視の車に追突され大ダメージを負う。無機質に死を与える存在であった彼も結局は死から逃れる事はできない、他の者と何ら変わりのない普通の人間だったのである。 この映画は終始静かに進む。人ゴミでゴッタ返す雑多な繁華街は出てこない。作中に現れるのは寂れたモーテルと静かな田舎町。そんなこの映画が醸し出す雰囲気を組んでなのか、この映画の邦題を「ノーカントリー」だけにした人間はセンスが良い。 見てきた映画の中で3本の指に入るオススメの1本。  
 
 
 
 
トミー・リー・ジョーンズ パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2012-09-14
 
映画/ドラマ
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