スポンサードリンク

「不安の種」シリーズ

 
センスの塊、中山昌亮作「不安の種」シリーズ。
 

 

 
マンガという媒体で「恐怖」を演出しようとするのは非常に難しい。
 
映画やゲームの様に映像や音楽に頼ったお手軽な動的表現を用いた干渉を視聴者へ与えられないからだ。
 
映画やゲーム等の映像と音楽を使用できる媒体では急に飛び出てくる霊や怪物の映像と共に大ボリュームで驚かせるようなエフェクトを用いさえすれば質が低くとも客を一時的にでも驚かせ恐怖を提供することは可能である。
 
しかしこれが漫画になればそう簡単にはいかない。漫画で表現する「ホラー」というジャンルは匙加減を少しでも間違えてしまえばすぐにギャグとなってしまうからである。
 
事実「ホラー漫画」は巷にいくらでもあるのだが「本当に恐い漫画」と言われると中々名前が出てこない。それは漫画という媒体がホラーというジャンルを表現する事に向いていない媒体であり「すべてを絵と文章で魅せなければならない」という特性上100%それらを用いた作者の「ホラー演出センス」に掛かっているからだ。
 
そんなホラーというジャンルを活かすに最も不利と思われる媒体でありながら中山昌亮が描く「不安の種」シリーズに出てくるモンスター達はどれも記憶に残り、パッと見ただけで奥底に眠っている根源的な恐怖と嫌悪感を呼び覚ましてくれる。彼は正にセンスの塊だ、話の最後のページに年代と場所の記述が挿入されているのも恐怖感を煽る感じで良い。
 
このシリーズは「不安の種」と「週刊少年チャンピオン」で連載されていた続編の「不安の種+」の2種類が存在し、どちらも文句なしのおススメである。またそれらの続編の「後遺症ラジオ」も捨てがたい。
 
明りの薄い暗い帰り道、ㇷとした瞬間に思い出す、そんな漫画。
 
 
中山 昌亮 秋田書店 2004-06-24
 
石橋杏奈 Happinet(SB)(D) 2014-01-07
 

コメント