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俺と小林の殺害契約

 

俺と小林の殺害契約。

 

 

介護施設という場所はそれはそれは悲惨な人生の終幕地点である。

 

世間的な評価の高い高級有料老人ホームならば別だろうがその他の介護施設なんてもんは基本的にどこもクソなところばかりなのだ。

 

何故そんな事が分かるのかというと俺は「小規模多機能」と呼ばれるタイプの介護施設で1年ちょいの労働経験があるし、その頃住居にしていたシェアハウスに「老健」と呼ばれる安かろう悪かろうを地で行く介護施設に勤めていた「熊沢コウヤ」という友人がいたからだ。ヤツから聞かされた老健エピソードはそれはそれは悲惨でエグイものばかりであった。

 

利用者の1人あたりにかけらる所要時間が極めて少ないためほとんど人間をモノの様に扱ったライン作業みたいな感じになる事とか、労働量が多くて職場環境がギスギスしているため職員による利用者への虐待が横行しているとか、夜勤中に居室を抜け出したジイさんが隣の居室のバアさんとSEXしてたとか色々である。

 

俺が勤めていた小規模多機能型施設は流石にそこまで環境はひどくなかったが施設にやってくるジーさんバーさんの介護施設での扱いを見ていて「金のない老後ってこんなにクソなんだ」とゲンナリする気分になっていた様な気がする。

 

同じ施設で働いていた同年代の小林も同様の感想を抱いていた様である。

 

そんな「あんな風になって生き永らえるのであれば死んだほうがマシ」と考える俺達はある日お互いにとある契約を交わす。

 

その内容はどちらか一方が認知症になった際にどちらかが正常な状態で生きているならば正常なほうが認知症になった方を殺すという殺害契約だ。俺が認知症になったら小林が俺を殺しにやって来るし逆に小林が認知症になったら俺が殺しに行くというそんな内容になっている。

 

この契約により俺達二人の老後は未来永劫安泰である。

 

日記
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